さらに1週間後、アルバイラクは2つのランダムなiCloudアカウントにアクセスできたとするYouTube動画を送信し、身代金を10万ドルに引き上げ、全てのアカウントを工場出荷状態にリセットすると脅したとされています。
これをアップルが米国および英当局に通報し、3月末には英国家犯罪対策庁(NCA)がアルバイラクを逮捕したという流れです。そこでスマートフォンやコンピュータ、ハードディスクなどのデジタル機器が押収されましたが、実際にアップルのサーバーが侵入された証拠はなかったとのこと。本人が所有していると主張していたデータは、実際は侵害されていたがほぼ非アクティブなサードパーティ製サービスのものだったと伝えられています。
NCAから「名声に飢えたサイバー犯罪者」と呼ばれたアルバイラクは「インターネット上で権力を握ると、それが名声のようになり、誰もが尊敬して、追いかけてくれるんだ」と語っています。
最終的にアルバイラクは2件の不正アクセスとアップルを脅迫した罪につき、懲役2年が宣告。ただし執行猶予付きで、300時間の無給労働と6ヶ月間の電子監視付きとなっています。
結局はアカウント流出などの実害はほとんどなく、富と名声を求めた被告がたちまち逮捕され、2年以上もの取り調べや裁判と有罪判決が科されたわけです。アップルや警察にとっては、迷惑行為を働くハッカー達へのいい見せしめになったのかもしれません。
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